メインメニュー
ブログ カレンダー
« « 2018 2月 » »
28 29 30 31 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 1 2 3
カテゴリ一覧

ブログ - 20180203のエントリ

つの誓願、在家の禅「勝鬘経の世界」

社会救済、社会福祉と言って口先で叫ぶだけでは社会変革の実現はつながらない。勝鬘夫人が仏教教学で摂律義戒(しょうりつぎかい)とよんでいる、止悪、作善の誓いをたてるのは、もちろん自分一個のためにする小乗の立場からではなく、大乗の立場からである。
先ず、止悪、作善(諸悪をなすなかれ 衆善奉行)の誓い摂律義戒(しょうりつぎかい)を身に体し(受け)たうえで、すすんで衆生済度の利他を実践していく摂衆生戒(しょうしゅじょうかい)へ。

そして、さらに一切の善法を修得していく摂善法戒(しょうぜんほうかい)、へと進む。


 勝鬘夫人の十大誓願を三つに区分すれば初めの五つが摂律義戒(しょうりつぎかい)。

次の四つが摂衆生戒(しょうしゅじょうかい)、最後の一つが摂善法戒(しょうぜんほうかい)にあた


そしてこの三つの戒を三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)と仏教ではよんでいる
 

夫人はいまその三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)を身に受け、実践する誓いをたてられた。
 

一、 世尊、我れ今日より乃(いま)し菩提に至るまで、所受の戒に於いて犯心を起さず。

二、 世尊、我れ今日より乃(いま)し菩提に至るまで、諸(もろもろ)の尊・長に於て慢心を起さず。

三、 世尊、我れ今日より乃(いま)し菩提に至るまで、諸の衆生に於て恚(い)心を起さず。

四、 世尊、我れ今日より乃(いま)し菩提に至るまで、他の身色及び外の衆具に於て嫉(しつ)心を起さず。

五、 世尊、我れ今日より乃(いま)し菩提に至るまで、内・外の法に於て慳(けん)心を起さず。

 

 第一受において「所受の戒」とあるのは、小乗の五戒のことで、それはすでに身に体しているはずではあるが、改めてここで繰り返し、決して犯しませんといわれたのです。

五戒とは不殺生,不偸盗(ちゅうとう)、不邪淫、不妄語、不飲酒(おんじゅ)のことで、殺してはならない、盗んではならない、男女のみだらな交わりをしてはならない、うそをいってはならない、度を過ごして大酒をのんではならないということです。

悪い行いは色々ありますが、その代表的なものを五つ挙げて止悪を教えているのです。

つぎの二と三の受は慢心と恚(い)心を起こさないことをいったものです。


  聖徳太子立像(飛鳥寺)   

 

聖徳太子は尊・長、すあわち目上の人に対しては不満を抱きやすく、恚(い)心(いかり)を発しやすいが、自分が目下である場合は慢心(おごり)はすくないのが普通であり、目上の者が目下に対して慢心を起こしやすいが、自分が目上の時は周囲の者が従うために恚心は少ないのが通例である。

にもかかわらず尊に慢心を起こさず、衆生に恚心を起こさずと、逆に事例をあげているのは「軽を挙げて重を況(たと)えるものなり、といっておられます。

その意味は滅多にないほんのわずかな慢心、恚心も起こさないという意味です。

 

次の四と五の受は、他人に対しては嫉心(ねたむ心)を起こさず、自分の方では慳(けん)心(おしむ心)を起こさないということです。

他をねたみ、非難し合うことは、世の中を暗くし社会不安を招くもとになりますから勝鬘夫人は何時、何処ででも他人を妬(ねた)まないと誓うと同時に、自分の持っているものは物心両面にわたり、衆生の為に惜しみなく与えるという誓いです。

 以上、一から五までは人間として実行しなければならない大切な誓いで、人格を完成するために守らなければならない生活規範です。

仏祖(釈迦牟尼)は勝鬘夫人が普光如来になることを予言されたのです「自ら味(く)らくして他を照らすことはできない」という教えの通り、たえず自己を反省して器を磨き、人間の弱点に陥らないようにしていかなければなりません。

この五受は誠に平凡なようで、誰にでも頭の中にでは知っていることでしょうが、実践となると容易なことではないのです。

仏教の教理に通じていても、また倫理道徳を説くことは出来ても、この生活規範がまもられないようでは、他を教化することは勿論、自分を完成することも出来ません。

これこそ勝鬘夫人の徹底した自己反省と深い宗教的自覚から出てきた言葉です。

 勝鬘夫人はこの自覚に立って、さらに進んで今度は利他の為の誓願をたてられるのです。

五までの誓願は自己を全うするために大切なものですが、そこで止まっては小乗の徒になります。

そこで次に述べられる四受が他を利益(りやく)するための摂衆生戒(しょうしゅじょうかい)です。

(人間禅叢書小野円照著「勝鬘夫人の告白」より) 
 

 

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (114)