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ブログ - ~いざ坐禅会へ~「悟浄出立」  

~いざ坐禅会へ~「悟浄出立」  

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
人間禅東海岐阜・三重 2017/3/20 22:16
三重四日市禅会の小川韶春です
 
 先週日曜日、国公立大学後期試験が終わり、大方の大学入試の日程がほぼ終わりました。新しい進路が確定した人も多くいることでしょう。それより前にさかのぼりますが、今年のセンター試験の国語の問題文に、漢文は日本人たる新井白石、古文は江戸時代に書かれた擬古物語で出題がされていました。何十年という共通テストの中で、出題文が使いつくされたのか?
 さて先日、通勤で読むための本を探しに本屋さんに行ったら、万城目学氏の新版文庫本「悟浄出立」が目に入りました。「鴨川ホルモー」や「プリンセストヨトミ」を書いた万城目氏の、西遊記物でわき役が主人公という。きっと面白いに違いないと手に取って序文を読んでみました。万城目氏曰く、「高校時代、現代文のテストにとんでもなく面白い文章が出題された。・・・テストそっちのけで文章に没頭した」とある。こういうのこそいい問題だ!そして万城目氏は、その文章は中島敦の「わが西遊記」と後でわかって、そのつづきを自分で書きたいと思い続け、機会を得てこの小説を書いたとのこと。私自身もかつて中島敦の「山月記」を使った問題文にひきこまれたことを思い出します。
 本書では、お経を求めて旅を行くご存じ三蔵法師一行が、その一行中最強の孫悟空が留守をするタイミングで、いつもの通り三蔵法師、猪八戒、沙悟浄が敵の妖怪にとらわれる。とらわれの中、沙悟浄が、猪八戒がかつて天界で無敵の天蓬元帥であったころと、過ちを犯し今では地上界に落とされて間抜けな豚の妖怪となっているが、きわめて前向きな気持ちでともに取経の旅にあることを聞く。
 猪八戒の犯した罪とは何か?猪八戒の述懐を聞いて沙悟浄は何を悟ったのか?孫悟空によって救出された一行はどこへ向かうのか?
 猪八戒曰く、「・・・過程こそが最も苦しい。天界と違って、人間界ではそこに最も貴いものが宿ることがある」。悟空曰く、「好きな道を行けよ、悟浄。少し遠回りをしたって、また元に戻ればいいんだ」とこう切り取ると、卒業式での校長先生かPTA代表の言葉のようですが、中島敦の文体を模倣した万城目氏の文章は、一文、一語なんともいえず面白いものがあります。
 ところで、実際、息子の高校の校長先生は卒業式でこう言葉をかけていました。「禅の言葉に『随所に主となる』という言葉がある、みんなにはそれぞれの場所で存分に活躍してほしい」。臨在和尚は「随所に主となれば、立所みな真なり!」と言われています。自分が自分の主となってはたらけば、周りにいる人も感化され、己が己の主となり、生き生きとした社会を作ることができるという意味もあろうかと思います。猪八戒は、三蔵法師のもとで進化を続けどこまでも強くなる悪ザル孫悟空に触発され、沙悟浄はそんな猪八戒に触発される。どんな困難があっても、いや困難があるがこそ、こんな旅は楽しくないわけがない。
 もうすぐ新年度4月。新しい旅に出る人たちもいるでしょう。みちみち妖怪たちに誑かされることもあるでしょう。道を求める仲間を得ることは大事といえます。
 それはそれとして、来月4月は12日から名古屋で摂心会があります。16日日曜日まで泊まり込みの坐禅会です。取経の旅は続きます。ご一緒にいかが?
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